松風トークvol.7 気持ちのいいケーキ屋さん。〜パティスリーせぱまる 片野純子さん〜

インタビュー

松風トークvol.7 気持ちのいいケーキ屋さん。〜パティスリーせぱまる 片野純子さん〜

2022.08.22

松風ストリートでお店を営んでいる人や、近辺の気になる方々にお話を聞いて記事にする企画、『松風トーク』。第7回のゲストはパティスリーせぱまる(以下、せぱまる)の店主である片野 純子(かたの すみこ)さん。
せぱまるは、松風ストリートに馴染むように佇むケーキ屋さんで、この辺りのケーキ屋といえば、せぱまる!という方も多いのではないでしょうか。
お店を訪問して片野さん自身やお店について伺ってきました。

 

プロレスの道を諦めて、ケーキ屋さんに。

-こんにちは、今日はざっくばらんにお話を伺えればと思います。よろしくお願いします。
片野さんは平塚の出身なのでしょうか?

はい、そうです!
平塚で生まれ育って、一時期は東京や横浜で働いていたんですけど16年前に戻ってきて、このお店をはじめました。

-いつ頃からケーキ屋さんをやろうと思っていたんでしょう?

中学生の時ですね。ケーキ屋になろうと思った瞬間から自分の店を持とうと思っていました。

-ケーキ屋さんになろうと思ったきっかけはなんだったんですか?

元々はプロレスラーになりたかったんですけど、

-え?

小学校の頃はプロレスラーになりたくて。ずっと。
でも身長制限とかがあって。

-プロレスがお好きだったんですか?

はい。プロレスが大好きでした。ま、今でも好きですけど。(笑)

-え!今もお好きなんですか?

(笑)(笑)

-小学校の時からずっと好きなものがあるってすごいですね。

(プロレスラーに)なろうと思っていたんですけど、身長制限があって。ダメでした。
プロレス以外だと、パン屋さんとかケーキ屋さんに行くのが好きだったので、お店ができたらいいなぁって

-プロレスラーからケーキ屋さんに夢を切り替えたのは小学生の頃ですか?

切り替えたのは中学生の頃です。

-じゃあ中学入っても背が伸びないから諦めたと。

そう。この身長じゃ無理だなと。当時はプロレスラーになるための最低身長の基準があったんですよ。

-プロレス。意外でした。

もしかしたらケーキの話よりプロレスの話の方が広がるかもしれませんね(笑)

-ケーキのお話にいきたいのですが、プロレスの話もかなり気になります。もし良ければおすすめの一戦を教えてください。

え〜っと、ブル中野とアジャコングの金網デスマッチは大好きで何度も見てますね。めちゃくちゃかっこいいんですよ。ぜひ見てみて下さい!

16年前からこの場所で。

-この場所でお店をはじめた経緯をもう少し伺ってもいいでしょうか。

働き出して10年経ったら自分のお店を作ろうと考えていたので、最初の10年は勤めていて、10年経った頃にここでお店をはじめました。働き出して10年という目処があったので、その頃に物件情報なんかも調べていて。

-この場所に決めた理由はなんだったんでしょう?

本当は別の場所で契約直前まで行ったんですけど、直前になって話が流れてしまって。
それで、ここになったんですが。結果的に良かったなぁと思ってます。
この通りが結構好きだったんですよ。

-おぉそうなんですね。この辺のどんなところが好きですか?

この辺は静かですし、だからと言って人通りが全くないわけじゃないし
平塚でも落ち着いた感じの雰囲気ですごく良いなと思います。
元々「あ、こんなところにケーキ屋さんがある」みたいなお店にしたかったんですよ。
ちょっとひっそりとしている方が良いというか
食べたら意外と美味しいじゃん。みたいな

-お店のスタートはどんな風だったんでしょう?

いや〜思い出すともう一回やり直したいですね。

-やり直したい?

全然準備不足だったというか。
ひっそりとはじめたつもりだったんですが、ありがたいことに本当に沢山の方に来て頂いて1時間くらいで完売になってしまって。
対応がいっぱいいっぱいでした。なので、もう一度やり直したいです。(笑)

-16年前から変わっていないメニューはあるんでしょうか?

ベイクドチーズケーキとレアチーズですね。
この2つは味も形も変えてないです。

-すごいロングランですね。新作も定期的に作ったりするんでしょうか?

季節限定のものがありますね。
今だと桃を使ったものや、レモンを使ったものがあります。(取材時7月時点)
あとは、9月の周年イベントの際は新しいメニューを出したりしますね。

-あのめちゃくちゃ行列ができる日ですね。あの日の行列すごくないですか?

いや〜本当にありがたいですよね。周年の日に”チーズまる”っていうその日にしか出さないケーキを作るんですけど、それを目当てに並んでくれるお客さんが沢山いまして

-チーズまるはもうその日だけですか?

はい!そうですね。
周年イベントは全部で3日間なんですが、各日限定80個みたいな形で。
今年も9月17日〜19日がその期間です。

決めたら、やる。

-パティシエって大変なお仕事ってイメージがあるんですが、、しんどさを感じる時や辞めたいなぁと思ったことはありますか?

ケーキ屋の仕事をやめようと思ったことはないです。
なんというか、そもそもそんなにこの職業に対して美化してなかったというか。
苦しくなってしまう人は「すごく華やかなイメージだったのに、実際はすごく地味な作業ばっかり」みたいにギャップに苦しむ人はいるんじゃないかと思います。

苦しさでいうと修行時代は給料も少ないし、労働時間も長くてなかなか独立資金が貯められないなぁという時期はありましたね。10年したら独立すると決めていたので、このままだとまずいなと思い、給与のいいケーキ屋さんを探して転職をして。それで開業資金を貯めました。

-一度決めたら、そこに向かって突き進むって感じですね。

そうですそうです。こうするってなったらそうするんです。
余計なこともないというか

-最後に、片野さんが大切にしていることがあれば教えてください

 

ん〜やっぱり「やると決めたらやる」とかですかね。
自分の中で決まったことは、やる。
ただ大切にしているというより、、なんだろう、

-そういうもんって感じですかね?

そうですね。
大切にしているというよりシンプルにそういうものって感じですね。

-たまにこうあぁやっぱりもう少しあとがいいかも?とか思ったりは?

あ、ない!ないですないです(笑)
もう決まっているから。
決まるまで迷うことはあるかもしれないけれど
決まったらもう変更はないですね。

 

インタビュー編集後記。

プロレスとケーキ。
人生でつなげて考えたことのない2種類の事柄。
プロレスラーになれなかったので、ケーキ屋になったという人は日本に何人いるんだろうか。とか、そんなことに思考が寄り道する。

さて、
片野さんのお話によれば、松風ストリートにせぱまるが存在するのは
偶然による部分と、片野さんがこの通りが好きだったというところに由来する。
松風ストリートはあまり特別すぎる通りじゃない。
わかりずらい表現だが、あえて言葉にするなら、”ちょうどいい通り”だ。
片野さん的には「静かだけど人通りがある」
全くその通り。賑やかなところではない。
このすごく目立つわけじゃないけど
全くシンとしているわけでもないという
謎のちょうど良さは、言外にみんなで共有しているんじゃないかという気がする。
派手じゃないけどつまらないわけでもない。みたいな

そして、この通りの人たちがめいめいに
「なんかいい」
と思っていることがこのインタビューを通して少しずつ
表出してきている。

少しずつ少しずつ
皆さんにお話を伺うたびに
それをこうして文字として整理するたびに
パズルのピースがハマっていくような
そんなイメージを持っています。

片野さん、実に爽快なお話をありがとうございました。

筆者:勝股淳

 

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