松風トークvol.13 「食べることは生きること」〜自然食のお惣菜屋 なないろデリ 冨田 京子さん〜

インタビュー

松風トークvol.13 「食べることは生きること」〜自然食のお惣菜屋 なないろデリ 冨田 京子さん〜

2023.02.1

松風ストリートでお店を営んでいる人や、近辺の気になる方々にお話を聞いて記事にする企画、『松風トーク』。

第13回のゲストは、2022年9月にオープンした自然食惣菜屋「なないろデリ」の冨田 京子(とみた きょうこ)さん。
”きょんさん”という愛称で親しまれ、袖ヶ浜の扇松海岸通りでテイクアウト中心のお惣菜・お弁当屋さんを営まれています。

管理栄養士の資格を持つきょんさんが作るお惣菜は化学調味料不使用。
身も心も喜びそうなお惣菜が何種類も並ぶ店内に入ると、どれにしようかいつも迷ってしまいます。

今回は、お惣菜屋さんとしての話に留まらず、食の大切さや・地域との関わりにも話が発展し、きょんさんならではのお話をたくさんお聞かせいただきました。

どうぞお読みください。

安心安全のお惣菜を届けたい〜 なないろデリがオープンするまで

-それでは、よろしくお願いします。
きょんさんは、元々平塚ご出身の方なんですか?

平塚は20年以上住んでいるのですが、出身は山形なんです。

短大の時に横浜にきて、最初の就職先が平塚でした。ここをオープンするまで色々な仕事をやってきましたね。

短大が栄養士の学校だったので、卒業後のお仕事は、企業の社員食堂で献立作成や衛生管理をしておりました。社食のカフェテリアで、1日20種類以上130人分くらいをスタッフと一緒に作っていましたね。

-すごい量ですね。(笑)
その後はどのようなお仕事をされていたのでしょうか。

結婚を機に退職した後は、学校給食や老人ホームで調理のお手伝いもしていましたね。
食と全く関係のない、機械・金属の設計の仕事もしてみたり。

でもやっぱりわたしは調理が好きだったので、仕事を変えて大磯にあるオーガニックカフェで5年ほど働いていました。

お惣菜屋さんを始めたのはその後です。

-設計は意外でした。
「調理が好き」に留まらず、「お惣菜屋さんを開こう!」と思ったきっかけが気になります。

お店をやってみたいとは昔から思っていたんですが、コロナの影響で家族の健康をつよく考えるようになったこともきっかけです。

息子がいることもあり、食べることって大切だなと一層感じるようになって。

そんな中で、安心安全なお惣菜を忙しい子育て世代やご年配の方に届けられるお店を作りたいなと思うようになり、開業に至りました。

きょんさんの食に対するこだわりや思いもお聞かせください。

「食べることは生きること」なので、余計なものを取り入れたくないなと思っていて。

これからの子どもたちにも、ちゃんとしたものを食べて欲しい。そういった気持ちがあるので、地元の無農薬野菜や添加物の入っていない調味料を使って調理しています。

あと、お野菜ってすごく美味しいんですよ。

野菜の美味しい味を知ってほしいから濃い味付けはせずに、野菜や昆布・鰹などから出汁を取って、素材の味を活かしています。

素材の味を、これからの子どもたちにも知ってほしいんです。

素材となる食材の仕入先はどうやって?

わたしも参加している大磯農園という酒米を作るグループで、知り合いを通して農家さんとつながりましたね。メンバーに色んな方がいるグループなんです。

魚に関しては、平塚漁港の市場に自分で出向いて買わせていただいています。
今朝も競りに出て、仕入れてきましたよ!

お〜、競りまで。すごい!

お肉や調味料に関しては、生活クラブさんからよく購入していますね。提携している牧場のお肉を取り扱っていたり、基準をクリアしたものを販売しているところなんです。

もちろん、こだわった食材なので仕入れの値段も高くなってしまう。
でも、美味しいものをちゃんと食べて知ってもらいたいので、お店の利益のことは考えていません。

「ハレの日」の料理としてではなく、日常の食卓の一品として気軽に食べてもらえたら嬉しいですね。

家庭的な料理を出しているので、おふくろの味なんですよね。(笑)

おふくろの味は、なかなか食べられないので本当に有難いです!

うん、平塚ってオーガニックというか、そういったお店少ないんですよね。

じゃあ自分でやるしかないか。自分が食べたいから、やっちゃおうって。

きょんさん自身は、いつ頃から食への関心が?

小さい頃からですかね〜、
よく面倒を見てくれていたおばあちゃんの家庭的な料理が好きだったんです。

とても美味しくって、作り方を教えてもらったり。

地元の山形料理「玉こんにゃく」もお店でよく出していますよ。

あとは田舎だと、ご近所からお野菜をたくさんもらうんですよ。

おかげさまで、お野菜は小さい頃から大好きでしたね。

街のお惣菜屋さんのこれから。地域や生産者との関わりを見据えて

以前まではお勤めされていたとのことですが、いざ自分でお惣菜屋さんを開いてみて、ご感想も聞かせてください。

いつも朝早くてとっても大変ですが、やっぱり楽しいです!

実家が自営業だったこともあり、わたしは人と接するのが好きなタイプで。
自分でお惣菜を作って・販売して・お客さまと接するのが、すごく楽しいんです。

あと、「今日は何を作ろっかな〜!」と毎日献立を自由に考えるのも好きですね!

季節のお野菜を扱っているので、同じ食材をしばらく使うことが多い中でも、どんな献立にしようか楽しく考えながら、色々作っています。

いつも何品目もすごいですもんね!
これからはどんなお店にしていきたいですか?

このお店をコミュニティの場所として使ってもらえたらな、という思いがあるんです。

将来的には、2階を子どもの教室にしたり、ご年配の方が集まれる場所にしたり、地域の人に使ってもらえるようにしていきたい。

あとは、もっと気楽に入って来てもらえる場所にしたいですね!「街のお惣菜屋さん」というか、「袖ヶ浜の台所」みたいな(笑)

子どもたちも学校帰りに「おにぎり買いに来たよ!」「コロッケある?」と、おやつを買いに来るような感覚で気楽に来てくれたら嬉しいです。

(インタビュー当日はきょんさんの旧知の仲であり、普段お店のあれこれを手伝ってくれているという髙木さんも同席してくれました。)

お手伝いに来てくれている髙木さん(写真下)のことも、ぜひご紹介いただけますか?

(きょんさん)
髙木さんは、15年ほど前にゴスペルサークルで出会った仲間なんです。山形から出てきた私にとって、親代わりのような方です。

(髙木さん)
そう、親代わりなんです。きょんちゃんのご両親に挨拶も行ったけど、「娘をよろしくお願いいたします。」って言われています(笑)

わたし自身は後期高齢者になりましたが、こうやって手伝いとして活動できる場があって楽しいし、近所にこんな惣菜屋さんがあると嬉しいですよね。

あと最近では、独居の高齢者たちもみんな、便利だからコンビニでつい買い物しちゃいますが、食材に何が入っているかわからない。そういった点でも地域のために、こういったお店が増えたらいいなと思ってます。

※編集部より:おしゃべりでとてもチャーミングな髙木さん。店頭で見かけたらぜひお話してみてくださいね。

 

これからも地域にどんどん広がっていきそうですね。

(きょんさん)
はい!
他にも、生産者と消費者をつなぐことも考えているんです。

物販やアート等、地元の作家さんの作品をここで販売することで生産者の方とのつながりが生まれるお店にできたらいいなと考えています。

楽しみにしていてくださいね。

それでは、最後に読者にメッセージがあればよろしくお願いします。

忙しい親御さんたちも、どうぞ気軽にいらしてくださいね。

わたし自身、管理栄養士ですので子どもへの栄養指導等でお困りごとがあれば、いつでも相談お待ちしております。

栄養指導は心強いですね。本日はありがとうございました!

 

インタビュー編集後記

取材から数日後、なないろデリにお惣菜を買いに立ち寄ったときに偶然、きょんさんがお客さんとお話している姿がありました。
話相手は、下校後の小学生とそのお母さん。

インタビューで話されていた姿と重なり、「きょんさんの想いが伝わっているのかもなあ」と覗いていて勝手ながら嬉しくなりました。

温かいコミュニケーションの場が身近な暮らしの場にあることは本当に幸せなことです。

こうやって何故か心が安らぐお店は、私たちと街をどこかでつないでくれる感覚がある。

手作りおにぎりを頬張り、そんなことを感じました。ごちそうさまでした。

 

【お店の情報】
・Instagram:こちら
・地図:Google マップが開きます

筆者:てる

公式Instagramはこちら

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