編集長樋口の原チャで行こうvol.3 〜全国の町を訪ねながら考えたこと〜

エッセイ

編集長樋口の原チャで行こうvol.3 〜全国の町を訪ねながら考えたこと〜

2022.11.28

こんにちは、原チャで日本を巡っている樋口です。原チャで町から町へと移動していると、如実に感じることがあります。それが、地方には思った以上に限界集落がたくさんあるということ。

特に山間地域を走っていると、誰も住めないような空き家が広がっている景色が目に留まります。個人の力ではどう抗っても解決できない、人口減少とそれに伴う限界集落の問題。今回は「過疎と暮らし」を切り口に、暮らしについて考えていけたらと思います。

そもそも限界集落とは?

地域創生を全力で考えるメディアサイト「槻木(つきぎ)」によれば、『限界集落とは、集落の過疎化や少子高齢化が進み、人口比率の50%以上が65歳以上を占める集落のことを意味します。』とあります。

また、集落は高齢者の人口比率や家の数によって、7つに区分されるようで、高齢者の人口比率が高くなるにつれ、「超限界集落」「廃村集落」と呼ばれるようになり、最終的に消滅集落という町が消えてしまう状態へと区分されます。
参考:https://kumamoto-tsukigi.com/genkai/

消滅するか、再びつくるか

そうした流れを受けて、生まれているのが昨今の移住ブームだと思います。もちろん、東京での暮らしのコストが高くなったということや、コロナウイルスの影響で仕事における居住の制限が緩やかになったこと、今後起こりうる自然災害リスクなど。たくさん要因はあるかと思いますが、限界集落の増加も移住ブームの背中を押しているように思います。

かつての地域社会では年功序列が根強く残っていて、人間関係に悩まされることが多かったのだそう。しかし、消滅集落へと向かっている地方では、チャレンジングな取り組みができる自由さが生まれているようです。このことは村で暮らす若者から、よく耳にしました。

「再びつくる」が個性を生み出す

そして、若者たちのチャレンジが功を奏して、日本各地に多様な町が現れているように思います。日本全国を巡る前は、まさかこんなに色んな場所でユニークな場所があるとは思いませんでした。東京に店を構えても人気が出そうなカフェやゲストハウス、雑貨屋さんが全国各地に点在しているのです。

廃倉庫をつかった雑貨屋さんやカフェといった複合施設ができたり

(長崎県東彼杵町「Sorissoriso」)

海の見える最高のロケーションに、心安らぐ宿が生まれたり、

(岡山県児島「DENIM HOSTEL float」)

伝統的建造物群保存地区を活用したカフェやレストランがつくられたり。

(兵庫県たつの市)

日本では滅びかけていた町に新たな担い手が移り住み、ユニークな町が至るところに生まれ出しています。

再びつくる必要がない松風町の行く先

さて、話を松風町に移すと、前回書いた記事(https://matsukaze-st.com/2022/08/11/gencha02/)で述べたように日本全体で見ればとても都会。

だから、町の存続をかけて「再びつくる」ということが必要ない町です。むしろ「再びつくる」には、何かを取り壊す必要があるため、何か新しいことを始めるには少しハードルの高さを感じるかもしれません。

そんな町が辿る未来は、「今あるものを大事にすること」の先にあるのだと思います。

今ある思いを形にしたら

松風ストリートが始まってから1年。この通りにあるお店のインタビュー【松風トーク】(https://matsukaze-st.com/news/)は、前回のBowwowさんのインタビューで10回目を迎えました。

インタビューを通して見えてきた、お店のこだわりや彼らの生き様。今まであったにも関わらず見逃していた、素敵な思いに触れることができました。そんな思いを知るだけでも、何気なく見えていた町の風景は、途端にぬくもりのあるユニークなものに見えてきます。

「再びつくる」必要に迫られることがない松風町では、いまある町の魅力を浮き彫りにすることが求められているのかもしれません。松風ストリートでも、今ある町の魅力を伝えていけたらと思います。

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